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LIFULL 人生設計

かつては「結婚は当たり前」という価値観が一般的でしたが、現在では「人生における多様な選択肢の一つ」として「おひとりさま」という生き方を選択する人もいます。この「おひとりさまライフ」を楽しいものにするには、あらかじめ考えておいた方が良いことがいくつかあります。

どんな人生を送りたいかによっても準備は異なりますが、今回は、女性がおひとりさまライフを充実させる上で、最低限身に付けておきたい2つの力について解説します。

  1. 独身女性として人生を謳歌したい方
  2. 老後に向けて漠然とした不安のある方
  3. 老後の選択肢を広げたい方
黒須 かおり くろす かおり

ファイナンシャル・プランナーCFP

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女性が一生で稼げる金額はどれくらい?

おひとりさまで生きていく際に、真っ先に気になるのが「お金のこと」ではないでしょうか。共働きであれば現役世代の収入も多く、老後の年金もそれなりに多く受け取れるはずです。しかし、おひとりさまともなると、現役時代も老後も自分の収入しか頼るものはありません。

まず、女性が一生涯で得ることのできる収入について考えてみましょう。

国税庁の民間給与実態統計調査(2020 年)をみると、正規雇用の女性の平均年収は約 384 万円でした。また、年齢階層別の平均給与では、20 代から定年までの間、300 万円前半と大きな収入の変化がないこともわかります。

女性の年齢別平均給与

女性の年齢別平均給与
※国税庁の民間給与実態統計調査(2020 年)より筆者作成

例えば、上記より女性の一生涯の平均年収を 400 万円と仮定すると、65 歳までの 43 年間では、1億 7200 万円になります。一方、男性の一生涯の平均年収を 550 万円と仮定すると、65 歳までの 43 年間で2億 3,600 万円になります。

共働きであれば、4億円以上の収入があることを考えれば、やはり女性のおひとりさまは人生を充実させるために計画的な資金計画が必要になるのです。ただ、一方でおひとりさまとして過ごすことで抑えることができる費用もあります。具体的には、以下のような項目です。

・結婚費用:約 469 万 ・出産費用:約 52 万 ・教育資金:約 1,002 万円 ※日本 FP 協会より:主なライフイベントにかかる費用の目安

いずれにせよ、自身の人生設計を踏まえて、必要な額を明確にしておいた方が良いでしょう。

おひとりさま女子に、不可欠な「稼ぎ力」

積極的に自分の人生をデザインできるおひとりさまになるためには自分の収入を高める「稼ぎ力」が必要になります。資格を取得して収入をアップしたり、転職して仕事の幅を広げるなどの行動で収入を上げることもできるでしょう。しかし、それ以外に別の収入を得る手段を自分自身で作ることができます。以下で、その具体的な手段を考えていきましょう。

副業・複業

収入を増加させる手段の選択肢として、最初に思い浮かべるのは、副業ではないでしょうか。本業がありながらそれ以外で収入を得ることを副業といいますが、最近では副業を解禁している企業も増えてきました。本業に支障があってはいけませんが、プライベートな時間を使って副業をすることは容易な時代となりました。

ではどんな副業がいいのでしょうか? 本業が「時間」で仕事をする以上、副業は「時間」にとらわれない働き方にした方がよりプライベートを充実できるでしょう。

本業の他にもう一つの収入源を持つという意味では「複業」という言葉も使われます。複業は、自分の趣味ややりたいこと、できることなどを使ってもう一つ収入源を作ることです。趣味のカメラを生かしてポートレート撮影をするとか、文章を書くのが得意なら、ライターとして企業のサイトのコラムを書くなど、自分の得意なことをお金に変えることもできます。初めはわずかな金額でも継続していくうちに、まとまったお金になることもあります。そういった複業には定年退職もないので、継続的な収入源を作ることができる可能性があります。

資格の取得

会社によっては、仕事で使う資格を取得すると手当が付く場合があります。その分収入があがるのであれば、ぜひチャレンジしてみるのもいいでしょう。また、手に職ではありませんが、将来職業にすることもできる資格の取得などに挑戦してみるのもいいかもしれません。

その場合、会社員の人でも、雇用保険の一般教育訓練給付金制度を使うことができます。一般教育訓練給付金制度は、民間企業に勤めている人でも要件を満たせば、対象である指定講座を受講し修了すると、受講費用の 20%、最高 10 万円が支給されます。例えば、WEB デザイナー、社会保険労務士、宅地建物取引士、などの講座があります。資格取得のための勉強ができるほか、講座にかかった費用もキャッシュバックされるので、このような制度を使って資格を取得しておくこともいいでしょう。

独立・起業

女性の場合、40 代から 50 代になると、それまでと比べて体調に変化が起こりやすくなります。そのため、定年退職まで働き続けることができるのかと不安になる時期とも言えます。そういったときに、自分のペースで働けるように独立・起業という選択肢もあります。

在職中に資格や技術を身につけていたら、それを本業にすることもできるかもしれません。もちろん、無計画に独立・起業をしても収入を得ることはできません。それまでに、いつまでに、どのように売り上げを上げるのかのシミュレーションを事前にしておく必要はあります。軌道にのれば、自分のペースで働くことができるでしょう。

不動産を購入しておく

副業や独立・起業をするほど積極的な行動ができない人は、投資有用不動産などを購入してみるのも一つの選択肢です。不動産投資は、銀行などから借入をして不動産を購入し、賃貸に出して家賃収入を得る方法です。借入金の返済が終わるまでは、大きな収入にはなりませんが、返済が終わった後には、毎月家賃収入を得ることができます。不動産から安定した収入を得られるようになるまでは時間がかかるため、それまでに不動産価値や家賃の下がりにくい物件を選ぶことが重要です。

不動産収入は自分自身の労働収入とは違い、体調が悪くて会社を休んだり、退職したりしても影響を受けることはありません。空室や値下がりと言ったリスクもありますが、労働以外の収入を確保するための手段としては、選択肢の一つになりうるでしょう。

いくつまで働いたらいいの?

おひとりさまがお金について考えるとき、いつまで働くのかはとても大きな問題です。定年退職まで働くのか、公的年金を受け取れるようになるまで働くのか、それとも 70 歳、75 歳まで働くのか。健康でいる限り働いている方が、社会とのつながりもあり、健康面でもいい影響があります。

生活のためだけに働くのではなく、人生を豊かにするためにも働きたいものです。総務省統計局の労働力調査(令和2年平均結果の概要)によると、65 歳以上の高齢者の就業者数は年々増えていき、2020 年には男性 538 万人、女性 367 万人になっています。

65 歳以上の就業率の推移

65 歳以上の就業率の推移
総務省統計局労働力調査・令和2年平均結果の概要 就業率の推移より

また、就業率をみると男性では約 34%、女性は 18%の人が働いています。このことからもわかる通り、65 歳を超えても働いている人は年々増加しています。いくつまで働くのかは本人の健康状態にもよりますが、年金受給年齢が 65 歳以降になる可能性を考慮すると、70 歳くらいまでは働き続ける準備はしておいた方がいいかもしれません。

働き続ける準備とは2つあり、一つは収入を得るための「価値」を継続して持ち続けていることです。自分のできる仕事は複数あった方がいいかもしれません。定年退職までの働き方や職種と、65 歳以降の働き方や職種は違うこともあり得ます。そのことをあらかじめ想定してどのように働くのか、どんな職種につくのか、どんな仕事をするのかを考えておくと良いでしょう。あらかじめ、こうしたことを考えて 50 歳以降を過ごすのか、考えずに過ごすのかでは大きな違いになるはずです。

二つ目は、「健康であること」です。入退院を繰り返していては思うように働くことはできません。現役時代から常に健康であることを意識しておかなければなりません。70 歳まで健康であり続けるために、今できることから始めてみましょう。

自分のことは自分でやる!健康管理力

健康であるためには常に自分のことを知る必要があります。毎年健康診断を受けることや、睡眠時間をきちんと確保するなど基本的なことはもちろんですが、体重をまめに計ったり、駅では階段を使うようにしたりと適度な運動を意識することも大切です。

今からできる健康管理の方法

健康を維持するためには毎日の生活が大事です。通勤のとき、駅までの道のりを徒歩に変える、階段を使う、など意識すればできることです。また、塩分や油の多いものを避け、野菜や魚などの多い食事に変えることもできます。さらに、現代においてストレスを感じないことは難しいかもしれませんが、なるべくいつまでもため込まず、楽しいことや趣味で発散し、よく眠るようにしましょう。

不安にそなえるため医療保険の加入も検討しよう

健康でいるつもりでも、突然病気になってしまうこともあります。健康保険の3割負担や、高額療養費制度もありますが、長期の入院や治療になった場合には貯金から治療費を支払わなければならないこともあるでしょう。そんなときに経済的な負担を軽くしてくれるのが医療保険です。せっかく計画的に将来の資金を準備してきたのに、予想外の出費で資金を減らしてしまうのはもったいないことです。

医療保険は健康なときでないと加入することはできませんので、後回しにしていると加入できないことや、特定の病気が保障されない内容になってしまう場合があります。健康に不安がある場合は緩和型といってすでに治療をしていても病気の種類によっては加入できる保険もありますが、保険料は割増され高くなってしまいます。ですから、健康で若いうちに医療保険には加入することを検討してみてもいいでしょう。

もし、要介護状態になってしまったら

おひとりさまが要介護状態になってしまったら、介護してくれる家族がいなければ、自分でなんとかするしかありません。具体的には介護施設に入居するなどの手段を検討する必要があるでしょう。民間の介護付き有料老人ホームは月額 15 万円から 30 万円ほどかかります。そうなると、必要になるのがお金です。

毎月受け取る年金だけで入居できればいいですが、それ以上の支払いになる場合は預貯金からの取り崩しをしていくことになります。将来介護施設に入居するかもしれないことを考えて、その分も老後資金を準備しておいた方が安心でしょう。

自分らしいライフスタイルを楽しむために入念な準備を

おひとりさまライフを満喫するために重要な2つの力として、「稼ぎ力」と「健康管理力」のお話しをしてきました。収入面、健康面、老後のお金などの不安に対しては、事前に対応して備えることが可能です。

自分の人生を自分でデザインすることは素晴らしいことですので、必要な知識や準備を整え、自分の人生を豊かにするために、時間とお金を使っていきましょう。

黒須 かおり くろす かおり
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ファイナンシャル・プランナーCFP

ファイナン・シャルプランナー CFP FPラポール株式会社代表取締役。 いつでも相談できる親しみやすいFPを目指し、ひとりひとり異なるマネープランの実現のパートナー。それぞれのライフプランに将来に向けての働き方、資産形成、資産運用などmoneyとキャリアのコンサルティングを行う。資産運用セミナーや金融機関にて資産形成のアドバイザーとして活動。