メインコンテンツにスキップ
LIFULL 人生設計

コロナ禍でテレワークの機会が増加したことに伴い、地方移住を検討する人が増えていると言われています。背景には、テレワークが普及したことで地方に移住しても、収入を維持しながら、豊かな自然環境を満喫することもできるようになったことなどがあるようです。

こうした移住を検討するにあたり、事前に旅行などで移住先の環境をチェックしてみようと考える人もいるでしょう。そこで、今回は日本最大級の旅行予約サイト「楽天トラベル」とコラボ。

楽天トラベルでは、実際に埼玉県から佐賀県・唐津へ地方移住した人にインタビューし、現在の暮らしや移住先のおすすめスポットなどを紹介しています。 ・高まる地方移住への関心。佐賀・唐津への移住者が感じた地域の魅力とは?

そして、この記事では、地方移住への関心が高まる背景やテレワーク移住のメリット、実際に移住をする際の注意点などについて詳しく解説します。

LIFULL 人生設計 編集部

東京都 23 区のテレワーク実施率は 50%超

内閣府の調査によると、2021 年 9-10 月のテレワーク実施率は、全国で 32.2%、東京都 23 区では 55.2%にのぼります。このうち、ほぼ 100%テレワークの割合は、全国で 6.0%、東京都 23 区で 16.4%でした。

業種別のテレワーク実施率

業種 テレワーク実施率
情報通信業 78.1%
電気・ガス・水道業 45.3%
金融・保険・不動産業 44.5%
製造業 44.1%
その他のサービス業(対事業所) 40.0%
卸売業 37.4%
建設業 34.0%
教育、学習支援業 33.4%
公務員 28.1%
運輸業 20.9%
その他のサービス業(対人) 20.9%
小売業 18.1%
農林漁業 14.5%
保育関係 13.8%
医療、福祉 12.6%

第4回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査(内閣府)2021.11.1

情報通信業の実施率が圧倒的に高いものの、インフラ関係や製造業など、他の業種でもテレワークの導入が進んでいることが分かります。また、同調査において転職先企業の選択理由の 6 位に「テレワークがしやすいこと」がランクインしており、今後、採用戦略の一環として、テレワークを推進する企業は増えていくと予想されます。

コロナ禍で東京都 23 区 20 代の 2 人に 1 人が移住に関心

テレワークの増加とともに関心を集めているのが、地方移住です。地方移住に「関心がある」と回答した人の割合は、2019 年 12 月から 2021 年 9-10 月にかけて大きく増加しました。

移住への関心度

東京都 23 区全年齢 東京都 23 区 20 歳代
2019 年 12 月 28.0% 38.9%
2021 年 9-10 月 37.3% 49.1%

第4回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査(内閣府)2021.11.1「強い関心がある」「関心がある」「やや関心がある」の合計

2019 年 12 月といえば、新型コロナウイルスの感染拡大が始まったばかりの頃です。当時と比べ、2021 年 9-10 月には、全年齢、20 歳代ともに、地方移住に関心のある層が 10%近く増加しています。

同調査において、地方移住に関心を持った理由について尋ねたところ「人口密度が低く自然豊かな環境に魅力を感じたため」「テレワークによって地方でも同様に働けると感じたため」といった回答が多くなっています。

地縁にとらわれない「I ターン移住」という選択肢も

地方移住というと、地元に戻る「U ターン移住」のイメージが強いかもしれませんが、異なる傾向も出てきているようです。NTT データ経営研究所の調査によると、移住先の選定で重視する項目は以下のようになっています。

理由 比率
自然環境が豊かだから 49.3%
現在の職場への通勤が可能だから 30.2%
家賃が安いから 29.9%
自身の趣味を楽しめる環境だから 26.7%
自身/配偶者等の出身地、または実家や親族の家に近いから 25.7%

「地方移住とワーケーションに関する意識調査」(NTT データ経営研究所)2021.12.06

2 人に 1 人が自然環境を重視している一方で、出身地であることを重視している人は 4 人に 1 人でした。出身地であるといった地縁以上に、自然環境や通勤、住宅事情などを重視する人が多いことが分かります。

このように、生まれ育った故郷とは別の地域に移住することを「I ターン移住」と呼びます。地方移住を検討する際には「U ターン」にとらわれず、住環境や子育て環境、趣味などの観点で、自分に合った好きな地方への移住を検討してみても良いでしょう。

移住を本格検討する前にまず「お試し」を

地方移住には様々な魅力がありますが、一方で注意しておきたいのが、移住後のミスマッチです。「気候が合わない」「都市部への移動が思ったより大変」などの理由で、移住を後悔する人もいます。そのため、移住を決断する前に、何度か現地を訪れ、移住後の暮らしをイメージすることが重要になります。

「サーフィンやクライミングなど趣味との相性が良いから」「旅行した時、楽しかったから」といった理由ですぐに移住先を決めてしまうと、ミスマッチが起こりやすくなります。そのため、後悔のない移住を実現するためには以下のようなステップを踏むと良いでしょう。

数多くの候補地をめぐる

まずは候補地を絞り過ぎず、多くの場所に足を運ぶことが大切です。一泊二日や二泊三日など、無理のないスケジュールで、気になった場所を訪れてください。候補地をめぐる時は、「旅行者目線」ではなく「暮らす目線」で見ることが大切です。有名な観光地だけでなく、自然環境や街並み、人の雰囲気に注目しましょう。スーパーに立ち寄ってみたり、飲食店の店員の方とおしゃべりしてみるのもおすすめです。

こうして数多くの候補地を見るうちに、「自分はどこに居心地の良さを感じるのか/何にストレスを感じるのか」が自然と見えてくるはずです。「暮らす目線」で見ることで、いつもとまた違った旅行を楽しめるのも、候補地めぐりの醍醐味です。

移住体験でワーケーションをする

候補地を絞ったら、実際に長期滞在し、ワーケーションなどを試してみると良いでしょう。ワーケーションとは「ワーク」と「バケーション」を合わせた言葉で、自宅以外の場所でテレワークをすることを指します。テレワークをしながら長期滞在することで、移住後の暮らしをより具体的にイメージできるはずです。

長期滞在では、地方自治体が提供する移住体験を活用するのもおすすめです。宿泊施設を割安で利用できたり、移住専門の担当者に移住後の暮らしについて相談できたり、先輩移住者を紹介してもらえたりします。

地方移住に憧れるなら最初の一歩を踏み出そう

夢を実現させるために大切なのは、まず行動してみることです。「いつか地方に移住したい」と考えていても、考えているだけでは夢は叶いません。

最初は一泊二日など短期でもかまわないので、気になった場所に一度家族で訪れることが大切です。実際に「暮らす目線」で移住先をながめれば、自分が重視するポイントも見えてくるはずです。また、逆に今の生活の恵まれている点に気づけることもあるでしょう。

憧れを現実にするための最初の一歩には、移住先への「視察旅行」が最適です。その際には、実際に移住を経験した人に、その土地の魅力をインタビューした楽天トラベルの記事もチェックしてみてください。

楽天トラベルの記事:高まる地方移住への関心。佐賀・唐津への移住者が感じた地域の魅力とは?

専門家コメント

遠山 有美子 とおやま ゆみこ

ファイナンシャルプランナー

詳細を見る

移住を検討している方に私からアドバイスをさせていただいていることとして、以下の3つがあります。これらを踏まえて、まずは移住体験ツアーに参加などして、候補地探し、自分が地方移住に求めるもの探しをしてみてはいかがでしょうか?

そして、具体的になったら、「移住計画書」を作成して、お金の見通しを立ててください。

  • 本格移住の前に「お試し移住」をおススメします。なるべく1年を通して、その土地の気候や環境などを肌で感じてみてください。

  • 短期移住の場合には、賃貸をおススメします。ワーケーションの場合も賃貸を利用して、実際の移住に近い環境でなるべく多くの日数を過ごすのがおススメです。賃貸を活用することで、負担も多い家探し・購入といった手続きがなくなり、気軽に地方移住がしやすくなります。

  • 本格移住の際も、賃貸も選択肢に入れてはいかがでしょうか?購入した場合は、高齢になってもずっと住み続けられるか、お子様に資産として残せるかといった問題も検討する必要があります。都会であれば、便利ということだけでも資産価値があることも多いですが、田舎の住宅はニーズマッチがより難しい場合が多くなりますので、そうした点からも賃貸の方が、選択肢が広がるのではないでしょうか。

LIFULL 人生設計 編集部

LIFULL 編集部では、これからの人生を自分らしく生きていくために必要な お金の知識や役立つ情報の提供など、みなさまの人生設計のサポートをしていきます。