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LIFULL 人生設計

コロナ禍の影響でリモートワークが普及した昨今。これを機会に「都会の喧騒を離れ、自然に触れながら暮らしたい」と考える人も多いでしょう。

しかし、移住をする際には、仕事以外にも住宅や買い物事情など日々の生活を充実させる上で、考えておきたい様々な要素があります。こうした移住前に知っておきたいポイントについて、2021年の秋に埼玉県から佐賀県の唐津に移住し、現在は「NPO法人唐津Switch」で空き家コーディネーターとして働く関彩乃さんと、関さんの同僚で移住コンシェルジュを担当する三笠旬太さんに話を聞きました。

関さんに、唐津のおすすめスポットについて聞いた楽天トラベルの記事と合わせてお楽しみください。 楽天トラベルの記事:高まる地方移住への関心。佐賀・唐津への移住者が感じた地域の魅力とは?

  1. 地方移住に興味のある方
  2. 地方移住のメリット、デメリットを知りたい方
LIFULL 人生設計 編集部

──  実際に埼玉から佐賀県の唐津に移住した率直な感想を教えてください

関彩乃さん(以下、関):毎日とても楽しく仕事をさせてもらっていますし、正直「不便だな」と感じたことはほとんどありません。日常の移動手段が電車から車に変わりましたが、通勤や買い物にも苦労していません。

強いていうなら、「九州イコール温かい」というイメージがあったのですが、意外と冬は寒いということぐらいですね。もちろん、都会に暮らしていた時のように「どこにでもショッピングモールがある」といった生活ではないですが、唐津のゆったりとした雰囲気も含めて楽しんでいます。

──  移住する前に感じていた不安や想定とのギャップなどはありましたか?

関:正直いって、私は事前にしっかりと下調べをするタイプではなかったので、そもそもギャップというものも感じませんでした。移住してきた当初は「買い物の選択肢が限られているな」と感じたこともありましたが、いざ生活してみるとすぐに慣れました。

最近では、「大きな施設で買い物をしたいな」というときは、気分転換を兼ねて福岡まで行っています。唐津にある私の家から福岡までは高速バスで1時間弱ですが、乗っているだけなのでとても楽ですね。

──  医療へのアクセスについてはどうでしょうか。

関:こちらにきてから、私自身が病院のお世話になったことはないのですが、私が働いている市役所の近くには、数多くの病院があります。内科や外科から歯医者まであるので、市役所周辺であれば、すべてそろっているように思いますね。

コロナ禍以降、移住検討者が増えている

── 現在取り組んでいる空き家コーディネーターの業務内容を詳しく教えてください。

関:現在、唐津市内には 3000 件以上の空き家があると推定されています。ただ、その中で空き家バンクに登録されている物件は、25 件前後程度しかありません。こうしたギャップが移住を検討している人たちの選択肢を狭めてしまっているという問題を解決するのが、空き家コーディネーターの仕事です。

具体的には、所有者の方に「放置するのではなく空き家バンクに登録したり市場に流通させ有効活用しましょう」と働きかけたり、相続などの悩みを解決できる専門家につなげたり、アドバイスをするという業務になっています。

── 報道などではコロナ禍の影響で移住を検討されている方が増えていると言われていますが、そうしたニーズの増加というのは実感されていますか?

三笠旬太さん(以下、三笠):私達は 2016 年から移住希望者からの相談やサポートを行なっているのですが、コロナ以降は相談件数が 1.5 倍程度になっているという実感があります。また、実際の移住者の数も年々増えています。

実際に移住してきている方の多くは IT 系など Web 上で完結する業務に従事されている方が多い印象です。それ以外でもライターや映像クリエイターといった、オフィスで働く必然性がそれほど高くない職種の方が多いですね。

── 移住先としての唐津の魅力はどのようなところにあるのでしょうか?

三笠:我々は、「とにかく唐津に移住してください」とゴリ押しするのではなくて、「その方が希望する暮らしが唐津で実現できる可能性があればぜひ!」という考え方をしています。

その上で、私自身が青森から移住してきた感想としては、唐津は様々な魅力がギュッと凝縮されている自治体だと思います。まず、海、山、川、島といった様々な自然のフィールドがあるということが大きな魅力の一つです。

また、元々唐津市は九つの市町村を合併して、今の形になっているのでエリアごとに様々な文化や歴史があり、どんな方のニーズにもマッチできる可能性があると思っています。

関:私自身も、休みの日は唐津市内の様々なところに行って、その魅力を満喫していますね。 唐津市は 12 万人規模の地方都市なので、ある程度生活に必要なものは身近にそろえることができます。先程の繰り返しになりますが。福岡も近いですし、日常生活で不便に感じることはほとんどありません。

また、自然との距離はすごく近いです。今働いている相談窓口は市役所の近くの中心街にありますが、そこから徒歩 10 分程度で砂浜の広がるビーチに出ることができます。「街で暮らしながらも自然も近い」というのが唐津市の特徴だと思いますね。

まずは「お試し移住」でシミュレーションを

── 移住を検討している方の中には、「地元の方に受け入れてもらえるのか」という不安を持っている人もいると思うのですが、移住者と地元の方とのコミュニケーションについては、どうですか?

関:私自身は、あまり意識することなく自然と溶け込めているなと感じていますね。近所のお祭りなどにも参加させてもらったのですが、地元の方々と良い距離感で関係を築けていると思います。

三笠:確かに、多くの方がご指摘のようなコミュニケーションの不安を感じているため、私たち移住コンシェルジュも、そうした部分のサポートに力を入れています。

具体的には移住前から、「どれだけ唐津の方々と繋がっていただけるか」ということを重視していて、移住希望者が唐津に訪れた際には、希望する暮らしに近い生活をしているモデルケースになるような方を紹介するといったこともしています。さらに私達の NPO 自体がコミュニティとなるようにしていて、唐津の地元の方や移住者の方々とゆるく繋がれるようになっています。こうした取り組みによって、移住後のコミュニケーションに関する不安を解消したいと考えていますね。

例えば、実際に移住する前から「唐津に 100 人知り合いがいる」という状況になれば、「コミュニティに溶け込めるのか」という不安もそれほど感じないのではないでしょうか。なので、移住前から多くの方とコミュニケーションをとっていただくようにしていますね。

── 実際に、移住を希望される方々の年代などに特徴はありますか?

三笠:幅広い年代の方がいますが、2016 年ごろから比較すると、やはり若い世代の方が増えているように思います。特に唐津の場合は、30〜40 代で小さいお子さんがいる家族のニーズがあるように思います。

現在は、1 ヶ月間滞在していただく「お試し移住」も受け入れています。「お試し移住」のための施設は、もともと空き家だった住宅を活用したもので、家具、家電などの設備がすべてそろっており、それこそ旅行にいくぐらいの感覚で来ていただくことができます。単身者向けと家族向けの2タイプがあり、単身者向けは個室と共有スペースがあるシェアハウスという形になっています。そして、私達 NPO でサポートさせていただきながら、1 ヶ月の間に住まいや仕事探し、子育て情報の収集、地元の方との交流や移住先で実現したいことを実際に体験していただくことができます。

この 5 年間で 100 組近くの移住検討者を受け入れていて、そのうち 3 割の方は、実際に移住してもらっています。やはり「お試し移住」を経験することで、唐津という地域の良いところも悪いところも理解していただいて、実際の暮らしをイメージしやすいのだと思います。

移住する一歩手前のステップとして、まずは「お試し移住」をすることで「自身の望む暮らしが唐津で実現できるのか」ということを体験してみてほしいですね。

LIFULL 人生設計 編集部

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